皆さんこんにちは。
JPQの白濱です。
テストの外注を検討されている方の中から「どのような流れで進めるんですか?」「何か準備することはありますか?」という質問をよくいただきます。今回は外部検証を検討されている方の参考になるよう、全体の流れとそのメリットについてご紹介いたします。
はじめに
WEBサービスやアプリケーションの開発工程の中にあるテストは、その開発工程や開発体制によって担当している人が異なります。開発エンジニアが実装後のテストまで対応していたり、テストを担当するテスターが対応したり、規模が大きいところですと社内の品質管理部門がテストの対応を行っていたりしています。また、会社によって品質に対する基準や考え方も様々なので、テストを担当する人はサービスごとに決められている品質目標をクリアするようテスト観点や粒度を決めていきます。
すべて社内で回すことが一番手間がかからないかもしれないですが、開発に携わっていない第三者がテストを行うことにより、よりユーザーに近い目線で確認をおこなうことができるので、開発側が見落としがちな不具合まで発見することができます。
開発に関わりのない人がどのようにテストを進めるのか、早速見てみましょう!
前提
弊社のようなテスト会社に依頼される会社としては、大きく分けて2種類あります。
①開発会社(オフショア開発会社も含めて)
②自社サービスの開発、運用会社
今回は一番よくあるパターンとしてマニュアルテストのアウトソースを例にしたいと思います。例えば以下のような状況でご相談頂くことがあります。
<例1:開発会社>
・ECのWebサービスとアプリの開発依頼を受けた開発会社。
・Webブラウザとスマホブラウザでテストをしたい。
・現在基本設計書を作成している段階で、テストは3か月後を想定している。
<例2:自社サービス開発/運営会社>
・自社で運営しているメディアサイトの追加機能開発をしている。
・Webブラウザのテストをしたい。
・基本設計書は作成していないが、機能がわかる簡単な資料と実際のサービス画面は確認可能。
事前準備
テスト会社では、テストプロジェクトを進めるにあたり、開発会社からのインプット資料が必要になります。しかし、ご相談を頂く中では仕様書や設計書が整備されていないところも少なくありません。お打合せでヒアリングをさせていただき、「サービスの機能が分かるもの」のご提供をお願いしております。
・要件定義書
・基本設計書/基本仕様書
・機能一覧
・画面遷移図
・実際に動く画面(URL)
外注の流れ
新規開発や追加開発のフェーズにより、マニュアルテストの規模は様々ですが、基本的には以下の流れをイメージしていただければと思います。
①初回お打合せ
案件概要とテストの対象物の確認
②お見積りとスケジュールを提出
③環境準備
・コミュニケーションツール(Slack/Skype/その他指定のツール)
・テスト環境の確認
・バグ管理ツール(Redmine/Jira/BackLog)
・テスト項目書(Google Spreadseats)
④テスト計画
⑤テスト分析
⑥テスト設計
⑦テストケースのレビュー
観点の漏れがないか確認頂きます。
⑧テスト実施
ケースに問題がなければ実施に入ります。不具合があった場合はその都度報告。
修正されたタイミングで改修確認も行います。規模によって数日~数か月かかります。
⑨報告レポートのご提出
ご希望のテスト実施開始日に合わせてテスト項目作成を行いますので、開発後スムーズにテストに入ることができます。
外注するメリット
前にお話したように外注にはある程度の準備が必要となり、最初は手間と感じるかもしれません。しかし、最初の流れさえ作ってしまえば必要な時に外注ができて開発全体が効率化されます。プロジェクトの規模や体制、予算にもよると思いますが、必要な時に簡単に依頼できるチームが外部にいるイメージを持っていただければと思います。
■メリット
・開発に集中でき、スピードを上げることができる。
・テスターの採用・教育のコストダウンにつながる。
・開発に携わっていない第三者が対応するのでサービスを客観的に、ユーザー目線に近い状態で確認をすることができる。
最後に
最近では様々なITサービスがでてきており、エンドユーザーが求める品質もますますあがってきているのではないでしょうか。各会社によって目標としている品質やそれに沿った開発体制があるかと思います。特にオフショアで開発を行う場合、テスターポジションを採用してもうまくまわらない、開発者がテストまでしていているので細部まで確認できていないなど様々な状況があるかもしれません。弊社のような第三者検証会社をうまく活用することで、より効率的にサービス開発や運用がまわることもあります。また、外部にテストを依頼することで、内部で見えていなかった無駄な部分や見落としていた部分が明らかになるきっかけにもなります。
今回はマニュアルテストでのアウトソースを例にお伝えいたしましたが、最近ではアジャイル開発を採用しているところが多く、その体制にテスト会社として入らせていただくことが増えております。アジャイルテストについてはまた次の記事でご紹介いたします。
社内の体制でお困りの方、テストは外部に任せてみたい等検討されている方の参考になりましたら幸いです。
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